いまと未来の記憶媒体の変化

コンピューター産業の初期の時代には、メインフレームと呼ばれる大型のコンピューターが空調のかかった電算センターに置かれていて、記憶媒体としては、カセットテープを何百倍もの大きさにしたような巨大なテープ装置や、ちょうど今のロボット掃除機のような形をしたものがグルグルと回転する磁気ディスク装置などといったものが、活躍していたものです。

それが、パソコンの登場によって記憶媒体は小さなサイズにおさまるようになり、今ではクラウドサービスの登場によって、その小さな記憶媒体さえも要らなくなってきている訳なのです。

すなわち、全てをネットワークの向こう側にあるインターネットのサーバー上にある記憶媒体に保管しておけば、ユーザー側では何も用意しなくてもよいということです。

ただ、ここで問題があるとすれば、ネットワークの向こう側にあるインターネットのサーバーというものを、本当に信用できるのかということです。

つまり、本当に大事なデータは自分の手許に所有しておいたほうが良いのではないかという議論です。

でも、そういう議論をするならば、メインフレームと呼ばれる大型コンピューターの時代にも、データは全て電算センターの中にある記憶媒体上に蓄積されていた訳です。

ただ、この場合には個々の企業が電算センターを所有していた訳であり、その企業が責任をもって自社のデータを管理していたという点が、クラウドサービスの場合と違うと言えるのではないでしょうか。

Category list